Pythonアプリ(パイソン プログラミング)
Pythonアプリは、本機で動作するように改編された、MicroPython Version 1.9.4です。
重要!
一般的に、パソコン上で動作するPythonとMicroPythonは異なります。Pythonアプリは、MicroPythonのすべての関数・コマンド・モジュール・ライブラリには対応していません。
Pythonアプリは、MicroPythonの処理系にて実行されます。このため演算結果などは、別のアプリでの実行結果と異なる場合があります。
操作の流れ
例: 下記のスクリプトを作成し実行する
入力内容 |
各行の意味 |
---|---|
def f(x,y,z): if x>0: t=x+y+z else: t=x-y-z return(t) |
関数名f、引数x,y,zのユーザー定義関数を定義する。 もし変数xが0より大きければ、 x+y+zの実行結果を変数tと定義する。 そうでなければ(もし変数xが0以下ならば)、 x−y−zの実行結果を変数tと定義する。 戻り値をtとする。 |
-
h > Pythonを選ぶ。
-
スクリプトを入力する。
-
できあがったスクリプトを実行するには、>を押す。
-
ユーザー定義関数fを呼び出し、引数x、y、zにそれぞれ1、2、3を入力する。
-
Vを押してVariableメニューを表示する。
-
f(,,)を選び、Oを押す。
-
fの引数として1,2,3を入力する。
-
Eを押してf(1,2,3)を実行する。
-
エディターに戻るには、bを押す。
エディター(Editorタブ)が表示され、“module.py”という名前のpyファイルが開きます。
入力操作については、アプリへの数値や文字の入力と編集および入力操作(エディター・Shell共通)を参照してください。

module.pyがShellにインポートされます。

x>0なのでt=x+y+z(=1+2+3)が実行され、t=6が返されます。

エディターを使う
HOME画面からPythonアプリに入ると、はじめにエディターが表示されます。アプリに入った直後は、必ず自動的に“module.py”という名前のpyファイルが開きます。
スクリプトの作成と編集
“module.py”にそのままスクリプトを入力するか、下記の操作で別のpyファイルを編集します。
これをするには: |
このメニュー項目を選ぶ: |
---|---|
現在開いているファイルを閉じて、新規ファイルを作成する |
T > [File] > [New] |
現在開いているファイルを閉じて、別のファイルを開く |
T > [File] > [Open] |
現在開いているファイルを別名で保存する |
T > [File] > [Save As] |
本アプリでは、1ファイルあたり255文字×300行まで、文字や関数、コマンドを入力できます。エディターへの文字や関数、コマンドの入力については、入力操作(エディター・Shell共通)を参照してください。
アルファロックを切り替えるには
Pythonアプリに入るとエディターは小文字のアルファロックになり、ステータスバーにが表示されます。Pを押すと大文字のアルファロックに切り替わり、ステータスバーに
が表示されます。もう一度Pを押すと、アルファロックが解除されます。
エディター内のスクリプトをコピーまたはカットするには
-
コピーまたはカットしたい範囲の始点にカーソルを移動する。
-
s0($)を押す。
-
コピーまたはカットしたい範囲の終点にカーソルを移動する。
-
Oを押すと表示されるメニューから、[Copy]または[Cut]を選ぶ。
ステータスバーにが表示されます(手順4でOを押すまで)。
始点と終点の指定は逆でも構いません。
コピーまたはカットしたスクリプトをエディター内にペーストするには
-
ペーストしたい位置にカーソルを移動する。
-
s.(%)を押す。
カーソルを指定した行に移動するには
T > [Jump]を選び、表示されるダイアログに移動先の行番号を入力します。
現在開いているpyファイルを上書き保存するには
T > [File] > [Save]を選びます。
エディター内のスクリプトをすべて削除するには
aを押すか、T > [Delete All]を選びます。
pyファイルを削除するには
-
T > [File] > [Delete]を選ぶ。
-
表示されるファイル一覧から削除したいファイルを選び、Oを押す。
-
確認ダイアログで、[OK]を選ぶ。
この操作で現在開いているファイルは削除できません。
“module.py”を削除した場合、次回Pythonアプリを起動したときに、自動的に同名のファイル(内容は空)が作成され、そのファイルが開きます。
スクリプトの実行
下記の操作で、エディター内に表示中のスクリプトを実行します。
-
>(または<)を押すか、T > [Run]を選ぶ。
-
スクリプト(pyファイル)を未保存の場合は、表示される確認ダイアログで操作を選ぶ。
スクリプト(pyファイル)を保存済みの場合はShellに移動し、スクリプトが実行されます。
これをするには: |
これを選ぶ: |
---|---|
pyファイルを保存してShellに移動し、スクリプトを実行する |
[Yes] |
pyファイルを保存せずにShellに移動し、スクリプトを実行する |
[No] |
スクリプトを実行せずにエディターに戻る |
[Cancel] |
入力操作(エディター・Shell共通)
Character Selectメニューから文字を入力するには
T > [Character Select]を選ぶと、文字の一覧がエディターの下部に表示されます。

この一覧から、英数字、記号、演算子を入力できます。入力するにはカーソルキーを使って入力したい文字を反転させ、Oを押します。文字の一覧を消すには、bまたはaを押します。
キーを使って文字や関数を入力するには
本機の各キーで入力できる文字や関数は、下表のとおりです。
キー |
入力文字 |
キー |
入力文字 |
キー |
入力文字 |
---|---|---|---|---|---|
0~9 |
0~9 |
` |
, |
s`(:) |
: |
i |
**2 |
/ |
* |
sv(sin-1) |
asin() |
g |
** |
* |
/ |
sc(cos-1) |
acos() |
X |
x |
+ |
+ |
st(tan-1) |
atan() |
v |
sin() |
- |
- |
s((=) |
= |
c |
cos() |
k |
*10** |
s4([) |
[ |
t |
tan() |
j |
sqrt() |
s5(]) |
] |
( |
( |
N |
exp() |
s7() |
pi |
) |
) |
sN(ln) |
log() |
s9() |
1j |
. |
. |
si(log) |
log10() |
|
|
エディターへの入力時のオートコンプリートについて
エディターへの入力時は、オートコンプリート機能が働きます。アルファベットを入力すると、入力した文字に応じた入力候補のコマンドが表示されます。
入力候補が表示されている間は、下記の操作ができます。
これをするには: |
このキーを押す: |
---|---|
別の入力候補に表示を切り替える(入力候補が複数ある場合) |
dまたはu |
現在表示されている入力候補を入力する |
rまたはO |
入力候補の表示をやめる |
l (カーソル位置は1文字手前に移動します。) |
参考
オートコンプリート機能で表示されるのは、Cを押すと表示されるCatalogメニュー内のコマンドです。
オートコンプリートの動作を無効にすることはできません。
Catalogメニューからコマンドや関数を入力するには
-
入力したい項目に応じたメニューを選ぶ。
-
入力したい項目を反転させ、Oを押す。
これを入力したいときは: |
このメニュー項目を選ぶ: |
---|---|
Pythonの組み込みコマンド・関数 |
C > [Built-in] |
mathモジュールのコマンド・関数 |
C > [math] |
randomモジュールのコマンド・関数 |
C > [random] |
matplotlib.pyplotモジュールのコマンド・関数 |
C > [matplotlib.pyplot] |
turtleモジュールのコマンド・関数 |
C > [turtle] |
casioplotモジュールのコマンド・関数 |
C > [casioplot] |
記号・演算子 |
C > [Symbol] |
全コマンド・関数のアルファベット順一覧から入力 |
C > [All] > [a]~[z] |
項目の一覧が表示されます。
項目が一覧表示されているときは、XA~0Zキーを押して、項目の頭出しができます。
改行の入力と自動インデントについて
エディターでスクリプトの編集中にEを押すと、改行が入力されます。
ある行末の「:」の後ろでEを押すと、改行後の行には前行の行頭よりもスペース2個分が追加されます(自動インデント機能)。
インデントされた行でEを押すと、改行後の行にも同じインデント(スペース)が付加されます。
構文ブロック入力について
エディターへの入力時は、“if:else”や“for:range()”など複数行の構文を持つコマンドをCatalogメニューから選ぶと、改行やスペースを含む構文ブロックが入力されます。
例: “if:else”を選び、下記のような複数行の構文ブロックを入力する(“□”はスペースを表します)
if□:
□□
else:
□□

Shellへの入力時は、最初の1行だけが入力されます。
ユーザーが定義した変数や関数を入力するには
-
Vを押してVariableメニューを表示する。
-
入力したい変数または関数を反転させ、Oを押す。
Variableメニューに表示されるのは、下記に該当する変数や関数です。
エディターの表示中にVを押したとき |
表示中のpyファイルで定義されている、グローバル変数およびユーザー定義関数 |
Shellの表示中にVを押したとき |
Shellの初期化*前に最後に実行したpyファイルで定義されている、グローバル変数およびユーザー定義関数 |
参考
Variableメニューに、下記は表示されません。
ローカル変数・関数内の関数・関数の引数・ユーザー定義クラス
現在開いているpyファイルからインポートしたpyファイルに含まれる変数や関数
Shellで定義した変数
Shellからインポートしたpyファイルに含まれる変数や関数
他のアプリでVを押したときに表示される変数は、Pythonアプリでは表示されません。
Shellを使う
Shellは対話型のコマンドラインです。Shell上の>>>プロンプトの位置からコマンドを入力*1してEを押し、すぐに結果*2を得ることができます。Shell上の履歴は、最新の200行が保持されます*3。
入力は255文字までです。Shellへの文字や関数、コマンドの入力については、入力操作(エディター・Shell共通)を参照してください。
結果出力は1行あたり最大509文字までです。
T > [Delete All]を選ぶか、他のアプリを起動するまで。
Shellを表示するには
エディターの表示中にスクリプトを実行するか、T > [Shell]*を選びます。このとき、Shellは初期化されます。
T > [Shell]を選んだ場合、エディターに表示中のスクリプトは実行されません。
Shellの初期化について
Shellは最近実行されたスクリプト内で定義された変数や関数を、Shellのヒープ領域(一時保存用のメモリー領域)に保持します。Shellからエディターに移動すると、その時点でShellのヒープ領域はすべてクリアされます。これをShellの初期化と呼びます。Shellが初期化されると、そのことを表す“* SHELL Initialized *”というメッセージが、初期化されたタイミングの行に挿入されます。
Shell上の履歴をすべて削除するには
aを押すか、T > [Delete All]を選びます。
matplotlib.pyplotモジュール
matplotlib.pyplotモジュールは、Pythonアプリでグラフを描くための関数を備えています。
重要!
本機のPythonアプリに搭載されているmatplotlib.pyplotモジュールは、本機で動作するように作成された、独自のモジュールです。パソコン上のPythonで動作するmatplotlib.pyplotモジュールとは異なります。
本機のPythonアプリに搭載されているmatplotlib.pyplotモジュールに含まれる関数は、動作、サポートしている引数、その他仕様が、パソコン上のPythonのmatplotlib.pyplotモジュールのそれとは異なる場合があります。各関数は、本節に明記されている書式や引数のみに対応しています。
参考
matplotlib.pyplotモジュール内の関数を使用するには、あらかじめmatplotlib.pyplotモジュールをインポートする必要があります。
matplotlib.pyplotモジュールをインポートするには
-
C > [matplotlib.pyplot]を選ぶ。
-
表示されるメニューから下記を選ぶ。
from matplotlib.pyplot import *
import matplotlib.pyplot
本節で示されている各関数の構文中、[ ]で括られている部分は、記述を省略できることを表します。
Pythonアプリのmatplotlib.pyplotモジュールに含まれる関数は、下記のとおりです。
描画画面の表示
show()
描画が指定されているすべてのグラフ、グリッド、および軸を、描画画面に表示します。
構文: show() (引数なし)
描画画面を表示した後でShellに戻るには、bを押します。
参考
を実行すると、実行前に指定されていた下記の内容がすべてクリアされます。
描画が指定されていたグラフ
軸の設定状態(初期設定に戻ります)
グリッドの設定状態(初期設定に戻ります)
1つのスクリプトにが2回以上記述されていた場合、スクリプト末尾から2番目のと最後のの間に描画や設定が記述されていたグラフ、グリッド、および軸を、描画画面に表示します。
軸とグリッドの設定
axis()
軸の表示範囲を指定したり、軸の設定を切り替えたりする関数です。
構文1: axis(list)
引数listに、軸の表示範囲を [min,max,min,max] の形式で入力します。minとminによって、画面左下端の座標が決定されます。
min |
軸の最小値 |
max |
軸の最大値 |
min |
最小値 |
max |
軸の最大値 |
listの型: list または tuple
listの各要素の型: int または float
初期値: [0,1,0,1]

min
max
min
max
構文2: axis(option)
引数optionに下記キーワード(型: str)を入力することで、軸の設定を切り替えます。
“on”: 軸を表示する
“off”: 軸を非表示にする
“auto”: グラフに合わせて軸の範囲を自動設定する*1
構文3: axis() (引数なし)
現在指定されている軸の表示範囲を返します。*2
axis(“auto”)は、グラフ描画関数の後ろに記述した場合のみ有効となります。
Shellでの実行時。pyファイル内に記述して設定値を出力させるには、print(axis())とする必要があります。
参考
軸の表示色は、黒固定です。
grid()
グリッドの表示/非表示や、グリッドの色を指定する関数です。
構文1: grid(option[,color])
グリッドの表示/非表示を指定します。同時に、グリッドの色も指定できます。
引数option: グリッドの表示/非表示を指定します。
str型で指定するには、下記キーワードを入力します。
“on”、“True”、または “true”: グリッドを表示する
“off”、“False”、または “false”: グリッドを非表示にする
bool型で指定するには、下記を入力します。
True: グリッドを表示する
False: グリッドを非表示にする
引数color: グリッドの色を指定します。
型: str
指定方法: grid(option,color=“キーワード”)の形で記述します。キーワードとして指定できる文字列は、色のキーワードを参照してください。
省略時の動作: グレーの実線でグリッドを描画します。(引数optionの指定が「グリッドを非表示にする」の場合は、描画されません。)
構文2: grid(color)
グリッドの色を指定します。また、グリッドの状態を「表示する」に切り替えます (構文1でgrid(“on”)と記述したときと同じ動作となります)。
引数color: グリッドの色を指定します。型と指定方法は、構文1と同様です。
構文3: grid() (引数なし)
グリッドの表示/非表示を、現在とは逆の設定に切り替えます。
例えばgrid(“on”)の後ろにgrid()を記述すると、グリッドの設定は表示から非表示に切り替わります。
grid(“off”)の後ろにgrid()を記述すると、グリッドの設定は非表示から表示に切り替わります。この場合、グリッドはグレーの実線で描画されます。
参考
で軸の非表示を指定すると、グリッドも非表示に指定されます。
グラフや文字列の描画
plot()
点または線分を描画します。
構文1: plot(,[,color])
指定した座標に点を描画します。点の色を指定できます。
引数、: 座標(, )を指定します。
型: int または float
引数color: 色を指定します。
型: str
指定方法: plot(,,“キーワード”)の形で記述します。キーワードとして指定できる文字列は、色のキーワードを参照してください。
省略時の動作: 色は自動的に指定されます。詳しくは、色の自動指定を参照してください。
構文2: plot([list,]list[,color])
指定した複数の座標を結ぶ線分を描画します。線分の色を指定できます。
引数list、list: 複数の座標(, ; , ; , ; …)を指定します。
list、listの型: list または tuple
list、listの各要素の型: int または float
listを省略した場合は、list= [0,1,2,3,…]が自動的に割り当てられます。
list、listの両方を指定する場合は、要素数を同一にしてください。
引数colorについては、構文1と同様です。
参考
で指定した座標に描画される点の形状は、「+」固定です。
を指定せずにが実行された場合、軸は自動的に調整されます。
パソコン上のPythonで指定可能な「形のキーワード」をcolor引数に入力した場合、エラーにはなりませんが無視されます。color引数に形のキーワードだけを入力した場合は、省略時の動作となります。
bar(,)
棒グラフを描画します。
構文1: bar(,[,width)
1本の棒グラフを描画します。
引数: 棒グラフの座標を指定します。
引数: 棒グラフの高さを指定します。
、の型: int または float
引数width: 棒グラフの幅(軸方向の目盛り幅に相当)を指定します。0を指定すると、幅1ドットで描画されます。
型: int または float
初期値: 0.8(省略時は0.8となります)
構文2: bar(list,list[,width])
1本または複数本の棒グラフを描画します。
引数list: 各要素で、棒グラフの座標を指定します。
引数list: 各要素で、棒グラフの高さを指定します。
list、listの型: list または tuple
list、listの各要素の型: int または float
listとlistは、要素数を同一にしてください。
引数widthは、構文1と同様です。
参考
を指定せずにが実行された場合、軸は自動的に調整されます。
で描画される棒グラフの色は、自動的に指定されます。詳しくは、色の自動指定を参照してください。
scatter(,)
散布図を描画します。
構文1: scatter(,)
指定した座標に点を描画します。
引数、: 座標(, )を指定します。
、の型: int または float
構文2: scatter(list,list)
指定したすべての座標に点を描画することで、散布図を描きます。
引数list、list: 複数の座標(, ; , ; , ; …)を指定します。
list、listの型: list または tuple
list、listの各要素の型: int または float
listとlistは、要素数を同一にしてください。
参考
で指定した座標に描画される点の形状は、「+」固定です。
を指定せずにが実行された場合、軸は自動的に調整されます。
で描画される点の色は、自動的に指定されます。詳しくは、色の自動指定を参照してください。
hist()
ヒストグラム(横軸が階級、縦軸が度数を表す度数分布図)を描画します。
構文1: hist([,bins]) または hist(,listbins)
データの個数が1(度数=1)のヒストグラムを描画します。
引数: データ値を入力します。
の型: int または float
引数bins: ヒストグラムの階級の分割数を、1以上の整数で指定します。
binsの型: int
初期値: 10(省略時は10となります)
指定方法: 例えばbinsを4にしたい場合は、hist(,bins=4)、または hist(,4)と記述します。
引数listbins: ヒストグラムの階級の分割点を、複数の数値で指定します。
listbinsの型: list または tuple
listbinsの各要素の型: int または float
例えばhist(1,[0,2,4])と記述すると、階級は0~2と2~4の2区間となります。
構文2: hist(list[,bins]) または hist(list,listbins)
複数個のデータによるヒストグラムを描画します。
引数list: 各要素に対して、データ値を入力します。
listの型: list または tuple
listの各要素の型: int または float
引数binsと引数listbinsについては、構文1と同様です。
参考
を指定せずにが実行された場合、軸は自動的に調整されます。
で描画されるヒストグラムの色は、自動的に指定されます。詳しくは、色の自動指定を参照してください。
引数listbinsに入力した数値は、自動的に昇順で並べ替えられます。例えば [4,0,2]と入力すると、[0,2,4]として扱われます。
階級の分割点にあるデータ値は、最大値を除き、分割点の上側の階級に含まれます。例えばhist([1,1,2,2,2,3,4,5,7],3)を実行すると、引数binsの指定が3なので階級は1~3、3~5、5~7の3つとなります。分割点にあるデータ値3は3~5の階級に、データ値5は5~7の階級に含まれることになります。ただし最大値である7は、5~7の階級に含まれます。

arrow(,,,)
矢印を描画します。
構文: arrow(,,,[,edgecolor[,facecolor[,head_width[,head_length]]]])
引数, : 描画する矢印の始点となる座標(, )を指定します。
引数、: 描画する矢印の終点*を指定します。これらの引数への入力値によって、(+, +)が終点の座標となります。
、、、の型: int または float
矢印の矢じり部分を含まない、線分の終点です。
引数edgecolor: 矢印の縁線の色を指定します。
引数facecolor: 矢じり面の色を指定します。
edgecolor、facecolorの型: str
edgecolorの初期値: 黒 ; facecolorの初期値: 青(省略時はこれらの色が適用されます)
引数head_width: 矢じりの幅を指定します。
引数head_length: 矢じりの長さを指定します。
head_width、head_lengthの型: int または float
head_widthの初期値: 0.003 ; head_lengthの初期値: head_width × 1.5
head_widthまたはhead_lengthに負の値を指定した場合、その値の絶対値が適用されます。
例: 座標(0, 0)を始点、座標(0.5, 0.5)を終点とする矢印を描画する。矢印の縁線を青、矢じり面の色を赤、幅と長さを0.5に指定する。
from matplotlib.pyplot import *
arrow(0,0,0.5,0.5,edgecolor=“blue”,facecolor=“red”,head_width=0.5,head_length=0.5)
show()
実行結果は下記のとおりです。

facecolor
edgecolor
head_width
head_length
参考
edgecolor、facecolor、head_width、head_lengthの各引数を指定する際は、上記の例のとおり、必ず引数を指定する文字列(edgecolor= の部分)を記述する必要があります。各引数を指定する文字列は、C > [matplotlib.pyplot]から入力できます。
色の指定に使うことができるblue、redなどのキーワードについては、色のキーワードを参照してください。
を指定せずにを実行しても、軸は自動的には調整されません。矢印が描画画面の外にはみ出す場合は、手動でを指定してください。
text(,,)
指定した座標に文字列を描画します。
構文: text(,,text)
引数、: 文字列の左端の座標(, )を指定します。
、の型: int または float
引数text: 文字列を指定します。
引数textの型に、特に制限はありません。" "で括って任意の文字列を入力します。
参考
を指定せずにを実行しても、軸は自動的には調整されません。文字列が描画画面の外にはみ出す場合は、手動でを指定してください。
で描画される文字列の色は、黒固定です。
色のキーワード
、、で色を指定する引数には、下記のキーワードを使います。
この色を指定するには: |
このキーワードを使う: |
---|---|
青 |
“b”または“blue” |
赤 |
“r”または“red” |
緑 |
“g”または“green” |
マゼンタ |
“m”または“magenta” |
黒 |
“k”または“black” |
シアン |
“c”または“cyan” |
黄色 |
“y”または“yellow” |
白 |
“w”または“white” |
グレー |
“grey” |
オレンジ |
“orange” |
紫 |
“purple” |
茶色 |
“brown” |
ピンク |
“pink” |
参考
色のキーワードは、C > [matplotlib.pyplot]から入力できます。
色の自動指定
*、、、のいずれか1つを使ってグラフを1回描画したときの色は、自動的に青が指定されます(はcolor引数省略時)。これらの関数を連続して実行してグラフを描画すると、グラフの色は下記の順番で自動的に指定されます。

青
赤
緑
マゼンタ
黒
シアン
黄色
を実行するたびに、自動的に指定される色は青に戻ります。
関数では、color引数が省略された場合のみ、色が自動的に指定されます。
例: 、を使って、続けてグラフを描画する。のcolor引数は省略する。
from matplotlib.pyplot import *
plot([1,1.5,2.5])
plot([0,0.5,0.2])
bar(1,1)
bar([2,3],[2,3])
show()
実行結果は下記のとおりです。

plot([1,1.5,2.5])
plot([0,0.5,0.2])
bar(1,1)
bar([2,3],[2,3])
turtleモジュール
turtleモジュールは、ペンを持った仮想の「タートル(亀)」()を操作する関数を備えています。タートルに図形やパターンを描かせることができます。
重要!
本機のPythonアプリに搭載されているturtleモジュールは、本機で動作するように作成された、独自のモジュールです。パソコン上のPythonで動作するturtleモジュールとは異なります。
本機のPythonアプリに搭載されているturtleモジュールに含まれる関数は、動作、サポートしている引数、その他仕様が、パソコン上のPythonのturtleモジュールのそれとは異なる場合があります。各関数は、本節に明記されている書式や引数のみに対応しています。
参考
turtleモジュール内の関数を使用するには、あらかじめturtleモジュールをインポートする必要があります。
turtleモジュールをインポートするには
-
C > [turtle]を選ぶ。
-
表示されるメニューから下記を選ぶ。
from turtle import *
import turtle
Pythonアプリでturtleモジュールを使用する際の座標は、下記固定です。
原点: 0, 0
軸 最小値:-192、最大値:191
軸 最小値:-95、最大値:96

下記の関数のそのまま記述して値が返されるのは、Shellでの実行時のみです。pyファイル内に記述して値を出力させるには、例えばprint(pencolor())のように、print()の中に記述する必要があります。
pencolor()、pensize()、width()、shape()、speed()、isvisible()、isdown()、xcor()、ycor()、position()、distance(,)、towards(,)、heading()
本節で示されている各関数の構文中、[ ]で括られている部分は、記述を省略できることを表します。
Pythonアプリのturtleモジュールに含まれる関数は下記のとおりです。
ペンの指定
pendown()
ペンを下ろします(タートルが描画できる状態になります)。
構文: pendown() (引数なし)
ペンを下ろした状態でタートルを移動させると、タートルの現在位置から移動先までの間に線が描画されます。タートルの移動には、向きの指定と前進・後退、指定座標への移動の各関数を使います。
penup()
ペンを上げます(タートルが描画できない状態になります)。
構文: penup() (引数なし)
ペンを上げた状態では、タートルを移動させても線は描かれません。
pencolor()
線の描画色を指定します。または、線の描画色の現在値を返します。
構文1: pencolor(colorstring)
引数colorstring: 線の描画色をキーワードで指定します。
型: str
指定方法: pencolor("キーワード")の形で記述します。キーワードとして指定できる文字列は、下記のとおりです。
black、blue、green、red、cyan、yellow、magenta、white、orange、purple、brown、pink、grey
構文2: pencolor(list)
引数list: 線の描画色をRGB値で指定します。
型: list または tuple
各要素の型: int または float
指定方法: RGB値を[r,g,b]の形式で記述します(0 ≤ r ≤ 1, 0 ≤ g ≤ 1, 0 ≤ b ≤ 1)。構文1の各キーワードに対応するRGB値は、下表のとおりです。
キーワード |
RGB値 |
---|---|
black |
[0,0,0] |
blue |
[0,0,1] |
green |
[0,1,0] |
red |
[1,0,0] |
cyan |
[0,1,1] |
yellow |
[1,1,0] |
magenta |
[1,0,1] |
white |
[1,1,1] |
orange |
[1,0.65,0] |
purple |
[0.66,0,0.66] |
brown |
[0.75,0.25,0.25] |
pink |
[1,0.75,0.8] |
grey |
[0.66,0.66,0.66] |
構文3: pencolor() (引数なし)
現在指定されている線の描画色のRGB値(または、該当する場合はキーワード)を返します。
pensize(), width()
線の描画幅を指定します。または、線の描画幅の現在値を返します。
構文1: pensize(n)
width(n)
引数n: 線の描画幅を0 ~ 5の間の実数で指定します。数値が大きいほど、描画幅が広くなります。
型: int または float
構文2: pensize() (引数なし)
width() (引数なし)
線の描画幅の現在値を返します。
向きの指定と前進・後退
right()
タートルの頭の向きを基準として、指定した角度だけ右向きに回転させます。
構文: right(a)
引数a: タートルを回転させたい角度を、度数法(0° ≤ a < 360°)で指定します。
型: int または float
left()
タートルの頭の向きを基準として、指定した角度だけ左向きに回転させます。
構文: left(a)
引数aについては、と同様です。
setheading()
タートルの頭の向きを、東(右)を0°、北(上)を90°、西(左)を180°、南(下)を270°とする絶対値で指定します。
構文: setheading(a)

引数a: タートルの頭の向きを、度数法(0° ≤ a < 360°)で指定します。
型: int または float
forward()
タートルを現在の頭の向きに前進させます。頭の向きは変えません。
構文: forward(n)
引数n: タートルの移動距離を指定します。
型: int または float
backward()
タートルを現在の頭の向きと反対に後退させます。頭の向きは変えません。
構文: backward(n)
引数nについては、と同様です。
指定座標への移動
goto(,)
タートルを指定座標に移動させます。頭の向きは変えません。
構文: goto(,)
引数、: タートルの移動先の座標(, )を指定します。
、の型: int または float
setposition(,)
タートルを指定座標に移動させます。頭の向きは変えません。
構文: setposition(,)
引数、については、と同様です。
setx()
タートルの現在の座標を変えずに、指定した座標に移動させます。頭の向きは変えません。
構文: setx()
引数: タートルの移動先の座標を指定します。
の型: int または float
sety()
タートルの現在の座標を変えずに、指定した座標に移動させます。頭の向きは変えません。
構文: sety()
引数: タートルの移動先の座標を指定します。
の型: int または float
home()
タートルを原点(0,0)に移動させ、頭の向きを初期値(右向き)に戻します。
構文: home() (引数なし)
円と文字の描画
circle()
タートルに円または円弧を描画させます。円または円弧は、タートルの現在位置を始点として、反時計回りに描かれます。右図はタートルの現在位置を(, )としたときの、下記構文中の引数と描画される円弧の関係を示しています。

radius
extent
(, )
構文: circle(radius[,extent=360])
引数radius: 円の半径を指定します。
型: int または float
引数extent: 弧の角度を度数法で指定します。
型: int または float
指定方法: 例えばextentを180にしたい場合は、circle(radius,extent=180)、または circle(radius,180)と記述します。
初期値: 360(省略時は360となります)
write()
タートルの現在位置から、文字列を描画します。
構文: write(text)
引数text: 文字列を指定します。
引数textの型に、特に制限はありません。" "で括って任意の文字列を入力します。
状態の指定
shape()
タートルの形を切り替えます。または、現在指定されているタートルの形を返します。タートルの形は、下記の2とおりです。
“classic” |
“turtle” |
---|---|
|
|
構文1: shape(name)
タートルの形を切り替えます。
引数name: タートルの形をキーワード(classic、turtle)で指定します。
型: str
指定方法: 例えばタートルの形をclassic(矢印)にしたい場合は、shape(name=“classic”)、または shape(“classic”)と記述します。
初期値: “classic”
構文2: shape() (引数なし)
現在指定されているタートルの形を返します。
speed()
タートルの描画速度(ペンが下りているときのタートルの移動速度)を指定します。または、現在指定されているタートルの描画速度を返します。
構文1: speed(speed)
タートルの描画速度を指定します。引数speedは、実数またはキーワードで指定できます。
実数で指定する場合: 0~10の間で入力します。0が最速で、0以外の場合は数値が大きいほど高速になります。範囲外の数値を入力すると、0が指定されます。
型: int または float
初期値: 5
キーワードで指定する場合: 下表の文字列を使います。
キーワード |
実数指定時の該当値 |
---|---|
fastest |
0 |
fast |
10 |
normal |
6 |
slow |
3 |
slowest |
1 |
型: str
指定方法: 例えばslowを指定したい場合は、speed(speed=“slow”)、または speed(“slow”)と記述します。
初期値: speed=None
構文2: speed() (引数なし)
現在指定されているタートルの描画速度を実数で返します。
showturtle()
描画画面にタートルを表示します。
構文: showturtle() (引数なし)
hideturtle()
描画画面からタートルを隠します(非表示にします)。
構文: hideturtle() (引数なし)
状態の取得
isvisible()
タートルの現在の表示状態を返します(表示: True、非表示: False)。
構文: isvisible() (引数なし)
isdown()
現在のペンの状態を返します(ペンを下ろしている: True、ペンを上げている: False)。
構文: isdown() (引数なし)
xcor()
タートルの現在の座標を返します。
構文: xcor() (引数なし)
ycor()
タートルの現在の座標を返します。
構文: ycor() (引数なし)
position()
タートルの現在位置(, 座標)を返します。
構文: position() (引数なし)
distance(,)
タートルの現在位置から指定した座標までの直線距離を返します。
構文: distance(,)
引数、: タートルの現在位置からの直線距離を調べたい座標(, )を指定します。
、の型: int または float
towards(,)
タートルの現在位置と指定した座標が作る円弧の角度(下記「参考」を参照)を返します。
構文: towards(,)
引数、: タートルの現在位置との角度を調べたい座標(, )を指定します。
、の型: int または float
参考
タートルの現在位置を(, )、指定座標を(, )とするとき、下図の破線で示した円弧の角度が、towards(,)によって返されます。

towards(,)
(,)
(, )
< , <

towards(,)
(,)
(, )
< , <

towards(,)
(,)
(, )
< , <

towards(,)
(,)
(, )
< , <
= かつ = のとき、towards(,)は0を返します。
heading()
タートルの現在の向きを返します。タートルの向きについては、setheading()を参照してください。
構文: heading() (引数なし)
タートルのリセット・描画画面のクリア
reset()
描画画面の内容をクリアし、タートルを初期状態に戻します。
構文: reset() (引数なし)
タートルの初期状態は、下表のとおりです。
ステータスの種類 |
初期値 |
---|---|
位置 |
(0,0) |
向き |
0°(東、右) |
色 |
(0,0,0)(黒) |
ペンの上げ下げ |
下りている |
ペンの描画幅 |
1 |
タートルの描画速度 |
5 |
タートルの表示/非表示 |
表示 |
タートルの形 |
“classic” |
clear()
描画画面の内容をクリアします。タートルの状態は、保持されます。
構文: clear() (引数なし)
casioplotモジュール
casioplotモジュールは、Pythonアプリで点や文字列を描画するための関数を含む、カシオ独自のモジュールです。C > [casioplot]から入力します。casioplotモジュールに含まれる全関数は、下記のとおりです。 関数の構文中、[ ] で括られている部分は省略できます。
show_screen() (引数なし)
描画ウインドウを表示します。描画ウインドウの表示や内容更新、内容クリアのタイミングなどについて詳しくは、描画ウインドウについてを参照してください。
例: 描画ウインドウを表示する
from casioplot import *
show_screen()

clear_screen() (引数なし)
描画ウインドウへの描画内容を、すべてクリアします。本関数は、描画内容の有無にかかわらず実行されます。
set_pixel(,[,color])
指定した座標に指定した色で点を描画します。
引数のとは、それぞれ描画する点の座標と座標を指定します。0 ≤ ≤ 383、0 ≤ ≤ 191の範囲で、int型の値のみ指定可能です。座標値と描画ウインドウの位置関係は、下図のとおりです。

color引数は、描画する点の色を指定します。color引数についてを参照してください。
例: 画面の左上角から右下角に直線を描画し、描画ウインドウを表示する
from casioplot import *
for i in range(192):
set_pixel(i*2,i)
show_screen()

参考
指定した座標と座標のいずれかが範囲外の数値の場合は、無視されます(何も描画されず、エラーも発生しません)。
get_pixel(,)
描画ウインドウ上の、指定した座標の色情報を取得します。引数のとは、それぞれ色情報を取得する点の座標と座標を指定します。指定が可能な範囲と型は、と同様です。取得した色情報は、256階調のRGB値で返されます。
例: 座標(0,0)の色情報(0,0,0)を返す
from casioplot import *
set_pixel(0,0,(0,0,0))
get_pixel(0,0)

参考
座標と座標のいずれかが範囲外の数値の場合は、何も返されません。
getkey() (引数なし)
この関数が実行された時点で押されていた本機キーのキーコードを返します。
各キーのキーコードは下記のとおりです。

例: 押したキーのキーコードを描画ウインドウ左上に表示する。この例では、5を押したままにする。
from casioplot import *
while (True):
key=getkey()
clear_screen()
draw_string(0,0,str(key))
show_screen()

参考
スクリプトの実行を中断するには、aを押してください。
draw_string(,,[,color[,size]])
指定した座標に指定した色で文字列を描画します。
引数、引数
それぞれ描画する文字列1文字目左上の座標と座標を指定します。指定が可能な範囲と型は、と同様です。
引数
描画する文字列(ASCII文字*のみ表示可能)をstr型で指定します。
color引数
描画する文字列の色を指定します。color引数についてを参照してください。
size引数
描画する文字列の文字サイズを、“large”、“medium”、“small”のいずれかから指定します。省略した場合は、“medium”が適用されます。
A~Z a~z 0~9 ! " # $ % & ’ ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~ スペース
例: 座標(0, 0)に文字列“abc”を色は黒、サイズはlargeで描画し、描画ウインドウを表示する
from casioplot import *
draw_string(0,0,”abc”,(0,0,0),”large”)
show_screen()

参考
指定した座標と座標がいずれも範囲内の数値の場合は、描画される文字列の一部が描画ウインドウからはみ出しても、描画ウインドウの範囲内までは表示されます。指定した座標と座標のいずれかが範囲外の数値の場合は、無視されます(何も描画されず、エラーも発生しません)。
color引数について
color引数には、描画色を256階調のRGB値で指定します。例えば黒を指定するには(0,0,0)または[0,0,0]、白を指定するには(255,255,255)または[255,255,255]と入力します。入力を省略した場合は、(0,0,0)が適用されます。なお液晶表示の性能上、実際に表示される色は指定値の近似色となる場合があります。
描画ウインドウについて
描画ウインドウはが実行されると表示されます。、による描画内容は、描画ウインドウに表示されます。
描画ウインドウの更新とクリアについて
描画ウインドウはが実行されるたびに更新され、が実行されるかShellが初期化されるとクリアされます。またpyスクリプトの実行が終了したとき、表示中の描画ウインドウは更新されます。
描画ウインドウからShellに戻るには、bを押します。
ファイルの互換性について
本機とパソコンの間で、pyファイルを相互に転送可能です。本機で作成したpyファイルをパソコンに転送し、パソコン上のテキストエディタなどで編集したり、パソコン上で作成したpyファイルを本機に転送して実行したりできます。
Pythonアプリで作成したpyファイルは、本機の保存メモリーに保存されます(拡張子“py”)。本機とパソコンの間でファイルを転送する操作については、本機とパソコンを接続するを参照してください。
本機で作成・保存したpyファイルについて
本機で作成・保存したpyファイルのフォーマットは、次のとおりです。
文字コード:
ASCIIコード
使用文字:
ASCII文字*
改行コード:
CR+LF
インデント:
スペース(自動インデントはスペース2つ)
A~Z a~z 0~9 ! " # $ % & ’ ( ) * + , - . / : ; < = > ? @ [ \ ] ^ _ ` { | } ~ スペース
外部で作成したpyファイルを本機で使用する場合の注意点
パソコンから本機に転送したpyファイルを、本機のPythonアプリで表示、編集、または実行する場合、下記の制約があります。
ファイル名
本機はASCII文字*のファイル名だけを認識します。ASCII文字以外がファイル名に含まれていた場合、そのファイルは認識しません。
下記のASCII文字を除く
\ / : * ? " < > | .
パソコンから保存メモリーに転送した名前が9文字以上のpyファイルは、本機では8文字に短縮表示されます (例:AAAABBBBCC.pyは、AAAABB~1.pyとなります)。
内容の表示と編集
下記(A)、(B)の条件に当てはまるpyファイルは、Pythonアプリで開いたときに、すべての内容が正常に表示されます。内容が正常に表示されたpyファイルは、Pythonアプリで編集可能です。
-
ASCII文字のみで記述され、UTF-8などASCII互換の文字コードで保存されたpyファイル。
-
255文字×300行以内のpyファイル。
ASCII非互換の文字コードで保存されたpyファイルは、Pythonアプリで開いても、一切内容を表示できません (すべての文字がスペースに置き換わるか、文字化けが発生します)。
上記の文字数/行数を超えるpyファイルは、Pythonアプリでは内容を表示できません。開くことができないファイルは、下記のコマンドでインポートしてください。
from (ファイル名) import *
pyファイル上のタブコードは、Pythonアプリで開くと同時に、すべてスペース2つに置換されます。
改行コードの種類(LF、CR、CR+LF)は、Pythonアプリでの内容表示には影響しません。ただし、pyファイルをPythonアプリで開くと同時に、すべての改行コードはCR+LF(Windows標準の改行コード)に変換されます。Pythonアプリで編集・保存したpyファイルをパソコンに転送して使用する場合は、使用する環境に合わせて改行コードの置換を実施してください。
pyファイルの実行
T > [File] > [Open]を選んだときにファイル一覧に表示されるpyファイルは、Pythonアプリで実行できる可能性があります。下記の点にご留意ください。
実行したpyファイル内に、本機のPythonアプリが対応していないコマンドが含まれている場合、エラーとなります。
外部で作成したpyファイルをPythonアプリで開くと、文字や改行コードなどの置換が行われます。このため、pyファイルをPythonアプリでいったん開き、保存してから実行した場合、元のpyファイルと内容が変わり、その変更が実行結果に影響することがあります。詳しくは、内容の表示と編集を参照してください。