Financialアプリ(財務計算)
Financialアプリを使うことで、さまざまな財務計算ができます。
重要!
本アプリによる計算結果やグラフ表示は、あくまで参考としてご利用ください。
実際の金融取引においては、本機を使って計算した結果を、必ず金融機関が算出した数値と比較してください。
本アプリに現在価値(PV)や購入価格(PRC)を入力する際に正の値または負の値のどちらを使うかは、実行しようとしている計算の種類に応じて、適切な方を入力してください。
操作の流れ
例: 3,000ドルを単利5.0%で投資した場合、2年後(730日後*)の元利合計を求め、続いて計算結果をグラフ上で確認する
-
h > Financialを選ぶ。
-
[Simple Interest](単利計算)を反転させ、Oを押す。
-
元利合計を求めるには、[Type]メニューから[Future Value (SI)]を選ぶ。
-
[Type]を反転させ、Oを押す。
-
表示されるメニューから[Future Value (SI)]を選び、Oを押す。
-
下記の数値を入力する。
n(日数)= 730、I%(年利)= 5、PV(元金)= -3000 -
必要に応じて、手順7で表示するグラフの描線の色を指定する。
-
T > [Graph Color]を選ぶ。
-
希望する色を選び、Oを押す。
-
計算を実行するには、>を押す(または
を反転させOを押す)。
-
グラフを表示するには、>を押す。
-
グラフ上で計算結果を確認するには、T > [Trace]を選ぶ。
-
GraphタブからResultタブに戻るには、bまたは<を押す。
Financialタブが表示されます。

単利計算のSetupタブが表示されます。

d730E5Es-(M)3000E

元利合計(FV = 元金+利息)の計算結果が、Resultタブに表示されます。
計算に必要な数値が正しく入力されていない場合は、エラーとなります。

トレース機能が有効となり、グラフ上に十字ポインター()が表示されます。
rを押すたびに、表示される値が元金(PV)、利息(SI)、元利合計(FV)の順に切り替わります。lを押すと、逆方向に切り替わります。
トレース機能を解除するには、bを押します。

財務計算を実行する
Financialアプリで実行できる財務計算は、下表のとおりです。
この計算をするには: |
Financialタブでこれを選ぶ: |
---|---|
単利計算 |
Simple Interest*1 |
複利計算 |
Compound Interest*2 |
投資評価(キャッシュフロー) |
Cash Flow |
年賦償還(返済金額に含まれる利息部分と元本部分の計算) |
Amortization*2 |
金利変換(実効金利と表面金利の間で変換) |
Conversion |
原価/販売価格/粗利の計算 |
Cost/Sell/Margin |
日数/日付計算 |
Days Calculation*1 |
減価償却計算 |
Depreciation |
債券計算(債券の購入価格と年間利回りの計算) |
Bond Calculation*1*3 |
計算前にS > [Number of Days/Year]を設定してください。
計算前にS > [Payment Point]を設定してください。
計算前にS > [Interest Paid]を設定してください。
計算例
例1(金利変換):
実効金利(I%)5%で、隔月複利(n= 6)の証書における表面金利(APR)を求める
-
Financialタブで[Conversion](金利変換)を反転させ、Oを押す。
-
表面金利を求めるには、[Type]メニューから[Annual Percent Rate]を選ぶ。
-
[Type]を反転させ、Oを押す。
-
表示されるメニューで[Annual Percent Rate]を反転させ、Oを押す。
-
下記の数値を入力する。
n(複利回数)= 6、I%(年利)= 5 -
計算を実行するには、>を押す。
金利変換のSetupタブが表示されます。
d6E5E

計算結果がResultタブに表示されます。

例2(減価償却計算):
定額法を使って、耐用年数(n)が4年、取得価格(PV)が30万円のパソコンの、初年度と2年度の減価償却費を計算する。初年度の償却月数(Y−1)は8か月とする。さらに、各年度の償却費を一覧表示する。
-
Financialタブで[Depreciation](減価償却計算)を反転させ、Oを押す。
-
定額法を使うには、[Type]メニューから[Straight-Line]を選ぶ。
-
下記の数値を入力する。
n(耐用年数)= 4、PV(取得価格)= 300000、FV(残存簿価)= 0、j(償却費を計算する年度)= 2、Y−1(初年度の償却月数)= 8 -
計算を実行するには、>を押す。
-
各年度の償却費を一覧表示するには、>を押す。
減価償却計算のSetupタブが表示されます。
d4E300000E0E2E8E

計算結果がResultタブに表示されます。
SL1:初年度の減価償却費
SLj:j = 2 年度の減価償却費
SLk:(k=n+1) = 5 年度(償却最終年度)の減価償却費

Tableタブに、年度(j)ごとの償却費(SL)と、各年度末の未償却額(RDV)が一覧表示されます。
Tableタブの表示中に>を押して、グラフを表示することもできます。

例3(債券計算):
償還日(d2)2028年12月15日の半年物社債*1を、受渡日(d1)2024年6月1日で購入したい。この債券は1年の日数を365日で計算する*2。額面価額の100%で償還され(RDV)、クーポンレート(CPN)は3%である。満期までの利回り(YLD)が4%の場合、債券の価格(PRC)と経過利息(INT)、および経過利息を含んだ購入価格(CST)を求める。
S > [Interest Paid]を“Semi-annually”に設定します。
S > [Number of Days/Year]を“365”に設定します。
-
Financialタブで[Bond Calculation](債券計算)を反転させ、Oを押す。
-
購入価格を求めるには、[Type]メニューから[Bond’s Price]を選ぶ。
-
下記の数値を入力する。
d1 = 6/1/2024(月/日/年)、d2 = 12/15/2028(月/日/年)、RDV = 100、CPN = 3、YLD = 4 -
計算を実行するには、>を押す。
債券計算のSetupタブが表示されます。
dE6E1E2024EE
E12E15E2028EE
100E3E4E

計算結果がResultタブに表示されます。

参考: 債券計算のメモ画面について
債券計算のResultタブの表示中にT > [Display Memorandum]を選ぶと、計算に使われた下記の日数が表示されます。
PRD:
d1(受渡日)からd2(償還日)までの日数
N:
受渡日から償還日までの利払い回数
A:
前回利払日から受渡日までの日数
B:
受渡日から次回利払日までの日数(D − A)
D:
受渡日の前回利払日から次回利払日までの日数

メモ画面の表示中にT > [Show Coupon Payment Day]を選ぶと、利払日を表示する画面に切り替わります(S > [Number of Days/Year]が“365”の場合のみ)。償還年から購入した年までの利払日が複数回ある場合は、この画面でOを押すたびに、各利払日が初回までさかのぼって順次表示されます。
入出力用語と計算式
単利計算
: 利息
: 支払期間(回数)
: 元金
: 年利(%)
: 元利合計
365日モード:
360日モード:
複利計算
: 支払期間(回数)
: 年利(%)
: 現在価値
: 支払金額
: 将来価値
: 年間の支払回数
: 年間の複利回数
PV・PMT・FV・nの計算時
|
|
S > [Payment Point]が“End”の場合 |
S > [Payment Point]が“Beginning”の場合 |
0 |
1 |
|
の場合 |
左記以外の場合 |
I%の計算時
(実効金利)は、ニュートン法により計算されます。
は、下記の式によってから計算されます:
|
の場合 |
左記以外の場合 |
重要!
現在価値(PV)と将来価値(FV)の両方を入力して計算する場合、一方を正の値、もう一方を負の値とする必要があります。
年利(I%)の計算にはニュートン法を使っており、さまざまな計算条件によって精度が影響を受けます。このため、得られる計算結果はあくまで近似値です。本アプリによる計算結果は、この点に留意してご利用いただくか、別途検算してください。
投資評価(キャッシュフロー)
一定期間にわたって資金額を合計し、減価資金額(Discounted Cash Flow、DCF)法を使って投資評価を行います。下記4種類の投資評価を利用できます。
: 正味現在価値
: 内部収益率
: 正味最終価値
: 回収期間
下記のキャッシュフロー図は、資金の動きを視覚的に表現したものです。

この図では、が初期投資額を表します。その後のキャッシュフローについては順次、1年後の資金額を、2 年後の資金額をのように表しています。
は下記の式に基づいて計算されます:
この式では、 = 0であり、は × 100 に相当します。ただし、本機がその後自動的に実行する計算ではわずかな誤差が累積されるため、実際にはが0になることはありません。が0に近づくほど、の精度は高くなります。
|
|
|
: 、の条件を満たす正の最小整数、または0 |
年賦償還
: PM1回目の支払い回数
: PM2回目の支払い回数
: 支払期間(回数)
: 利率
: 元金
: 各回の支払額
: 最終支払い後の残高
: 年間の支払回数
: 年間の複利回数

1回分の
返済金額
最後
返済回数

1回分の
返済金額
最後
返済回数
: PM1回目の支払いの金利分(INT) |
|
: PM1回目の支払いの元金分(PRN) |
+ = 1回分の返済金額(PMT)
: PM2回目の支払いが終わった段階での元金の残高(BAL) |
|
: PM1回目からPM2回目までに支払った元金の総額(ΣPRN) |
|
: PM1回目からPM2回目までに支払った金利の総額(ΣINT) |
S > [Payment Point]が“End”の場合:
S > [Payment Point]が“Beginning”の場合:かつ
表面金利と実効金利の変換
分割払いで年間の支払回数と複利回数が異なる場合、表面金利(ユーザーが入力したI%の値)は実効金利(I%’)に変換されます。
表面金利から実効金利への変換後、下記の式によりが算出され、その後の計算に使われます。
金利変換
: 実効金利(%)
: 表面金利(%)
: 複利回数
: 利率
原価/販売価格/粗利
: 原価
: 販売価格
: 粗利(%)
日数/日付計算
Number of Days(指定日付間の日数) |
= |
d2−d1 |
(d1: 日付1、d2: 日付2) |
Days After(指定日付から指定日数後の日付) |
= |
d1+D |
(d1: 日付、D: 日数) |
Days Before(指定日付から指定日数前の日付) |
= |
d1−D |
(d1: 日付、D: 日数) |
減価償却計算
定額法(SL)
:年度の償却額
: 耐用年数
: 取得価格
: 残存簿価
: 償却費を計算する年度
: 初年度の償却月数
(ただし、のとき) |
定率法(FP)
: 年度の償却額
: 年度末の未償却額
: 償却率
(ただし、のとき) |
||
(ただし、 |
級数法(SYD)
: 年度の償却額
: 年度末の未償却額
(ただし、のとき) |
||||
|
特殊定率法(DB)
: 年度の償却額
: 年度末の未償却額
: 償却係数
(ただし、のとき) |
(ただし、 |
債券計算

-
発行日
-
利払日
-
受渡日(d1)
-
償還日(d2)
: 額面価額100$あたりの購入価格
: クーポンレート(%)
: 年利回り(%)
: 利払い間隔(1 = 年1 回、2 = 半年に1 回)
: 受渡日から償還日までの利払い回数
: 額面価額100$あたりの償還価格
: 経過利息
: 経過利息を含んだ購入価格
: 受渡日の前回利払日から次回利払日までの日数
: 前回利払日から受渡日までの日数
: 受渡日から次回利払日までの日数()
償還日までの利払いが1回以下の場合
償還日までの利払いが2回以上の場合
|
重要!
年利回り(YLD)の計算にはニュートン法を使っており、さまざまな計算条件によって精度が影響を受けます。このため、得られる計算結果はあくまで近似値です。本アプリによる計算結果は、この点に留意してご利用いただくか、別途検算してください。
FinancialアプリのSettingsメニュー項目
下記はFinancialアプリに特有のSettingsメニュー項目です。
S > [Payment Point] ... |
支払日を期首(Beginning)または期末(End)に指定します。この設定は、複利計算と年賦償還の計算に影響します。 |
S > [Number of Days/Year] ... |
1年の日数を365または360に指定します。この設定は、単利計算・日数/日付計算・債券計算に影響します。 |
S > [Interest Paid] ... |
債券計算の際の利払いの間隔を、年1回(Annually)または半年に1回(Semi-annually)のどちらかに指定します。 |