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Databaseアプリ(周期表と物理定数)

Databaseアプリには、元素と物理定数のデータが収録されています。 収録されているデータを参照したり、数値を編集したり、数値を他アプリで利用*したりすることができます。

原子量や物理定数の値をアルファ変数に保存できます。 元素データを一括してSpreadsheetアプリのデータとして保存することもできます。

参考

元素や物理定数の表記や値は変更されることがあります。 本機が準拠している元データについては、本章各節(周期表および物理定数)の冒頭を参照してください。

Databaseアプリには、収録されている原子量や物理定数の値を編集して保存する機能があります。 編集して保存した値は、Databaseアプリを最新バージョンにアップデートしても保持されます。 アップデートした最新バージョンの値で上書きするには、すべての原子量を初期化するおよびすべての物理定数の値を初期化するにはの操作で、原子量と物理定数を初期値に戻してください。

周期表

元素周期表から元素を選んで、さまざまな情報を表示できます。 元素を名前や原子量で検索することも可能です。

参考

Databaseアプリが表示する原子量は、2021年のIUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)に準拠しています。

Databaseアプリが表示する電子配置は、CRC Handbook of Chemistry and Physics 91st Editionに準拠しています。

周期表から元素を選んで情報を表示する

例:  周期表から原子番号79番の金(元素記号:Au)を選んで、詳細情報を表示する

  1. h > Databaseを選ぶ。

  2. [Periodic Table]を反転させ、Oまたはrを押す。

  3. 周期表が表示されます。 このとき、原子番号1番の水素(元素記号:H)の位置にカーソル(①)が現れます。 また、カーソル位置の元素の元素記号、原子番号、および原子量が、②の位置に表示されます。

    CY875_V2_Database Periodic Table_1
  4. カーソルキーを使って、カーソルを原子番号79番の位置に移動する。

  5. カーソルキーを使って移動するほかにも、元素の名前や原子番号などで検索して移動することもできます。
    下記は原子番号で検索する操作例です。

    1. T > [Search] > [Atomic No.‎]を選ぶ。

    2. 表示されるダイアログに79を入力し、Oを押す。

    CY875_V2_Database Periodic Table_2
  6. カーソル位置の元素の詳細情報を表示するには、Oを押す。

  7. 元素の詳細情報画面に切り替わります。下記の内容が表示されます。

    1. 原子番号・元素記号・元素名・性質

    2. 電子配置

    3. 元素のイメージ画像と、イメージ画像の説明

    4. 原子量*

    CY875_V2_Database Periodic Table_3

    安定した同位体を持たない元素の原子量は、[ ]で括って表示しています。 例えば[209]のように[ ]で括られている数値は、その元素の最も長寿命の同位体の質量数を表します。 ただし、トリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)については地球上で特有の同位体組成を持っているため、これらの原子量は[ ]で括らずに表示しています。 なお、原子量に[ ]括りの付いた元素の名前には “*” を付記しています。

  8. 周期表に戻るには、bまたはOを押す。

周期表上で特定分類の元素を強調表示する

下記の操作で、特定分類の元素を枠囲みで強調表示できます。

この分類の元素を強調表示するには:

このメニュー項目を選ぶ:

遷移元素

T > [Series] > [Transition]

アルカリ金属

T > [Series] > [Alkali Metals]

アルカリ土類金属

T > [Series] > [Alkaline Earth Metal]

ハロゲン

T > [Series] > [Halogens]

貴ガス

T > [Series] > [Noble Gases]

希土類元素

T > [Series] > [Rare Earth]

強調表示を解除するには、T > [Clear]を選びます。

参考

元素の分類は確定的なものではありません。 Databaseアプリが表示する分類は、本アプリの開発時点で一般的とされるものの1つです。

周期表の情報をスプレッドシートファイルとして保存する

下記の操作で、周期表の情報をスプレッドシートファイルに保存できます。

  1. T > [Store]を選ぶ。

  2. 表示されるダイアログにファイル名を8文字以内で入力し、Oを押す。

  3. スプレッドシートファイルのA列からD列の順に、下記の情報が保存されます。
    原子番号(数値)・元素記号(テキスト)・電子配列(テキスト)・原子量(数値)*

原子量の値を変更していた場合は、変更後の値が保存されます。 原子量の値の変更については、原子量の値を編集するにはを参照してください。

すべての原子量を初期化する

原子量の値を編集するにはの操作で変更した原子量の値を、すべてDatabaseアプリの初期値に戻します。

  1. T > [Initialize Weight]を選ぶ。

  2. 表示される確認ダイアログで、[OK]を選ぶ。

元素を検索する

下表の方法で、元素を検索できます。 元素が見つかると、その元素にカーソルが移動します。

これで検索するには:

このように操作する:

元素名

  1. T > [Search] > [Name]を選ぶ。

  2. アルファベット順の一覧*1から元素名を選び、Oを押す。

元素記号

  1. T > [Search] > [Symbol]を選ぶ。

  2. アルファベット順の一覧*1から元素記号を選び、Oを押す。

原子番号

  1. T > [Search] > [Atomic No.‎]を選ぶ。

  2. 表示されるダイアログに原子番号を入力し、Oを押す。

原子量

  1. T > [Search] > [Weight]を選ぶ。

  2. 表示されるダイアログに原子量を12桁以内(小数点含む)で入力し、Oを押す。*2

アルファベット順の一覧が表示されているときにXA0Zを押すと、押したキーのアルファベットから始まる先頭の項目にジャンプします。

入力した数値以上で最小の原子量を持つ元素が検索されます。

周期表を拡大表示する

周期表の表示中に+または<を押すと、現在のカーソル位置周辺が拡大表示されます。 ->、またはbを押すと、全体表示に戻ります。 なお拡大表示中は、Tキーの操作は無効となります。

詳細情報画面を使う

周期表を表示中の画面でOを押すと、カーソル位置の元素の詳細情報画面が表示されます。 詳細情報画面の表示内容については、周期表から元素を選んで情報を表示するを参照してください。
ここでは、詳細情報画面の表示中にできる操作を説明します。

原子量の値を編集するには

  1. 原子量の値を編集したい元素の詳細情報画面を表示する。

  2. T > [Edit]を選ぶか、rを押す。*

  3. 原子量の値の左端に入力カーソルが表示され、点滅します。

  4. lまたはrを使って入力カーソルを移動し、値を編集する。

  5. 原子量には、数字と小数点のみを12桁まで入力できます。

    編集をキャンセルするには、ここでbを押します。

  6. 編集後の値を保存するには、Oを押す。

この操作の代わりに数字キーを押すと、押したキーの数字が入力されます。

原子量の値の表示をカッコなしとカッコ付きの間で切り替えるには

T > [1‎ ‎⇔‎ ‎[1]]を選ぶたびに、原子量の値が[ ]付きと[ ]無しの間で切り替わります。

この[ ]の意味については、周期表から元素を選んで情報を表示する手順4の注釈を参照してください。

変更した原子量の値をDatabaseアプリの初期値に戻すには

T > [Initialize]を選びます。

原子量の値と[ ]の有無が、Databaseアプリの初期状態に戻ります。

原子量の値をアルファ変数に保存するには

  1. 原子量の値を保存したい元素の詳細情報画面を表示する。

  2. T > [Store]を選ぶ。

  3. 表示されるダイアログにAからZまでの1文字を入力し、Oを押す。

  4. 入力した文字のアルファ変数に、原子量の値が保存されます。

    アルファ変数の使い方について詳しくは、アルファ変数の利用を参照してください。

物理定数

Databaseアプリは下表の物理定数の値を保持しており、カテゴリー別に値を一覧表示します。 また、値を編集したり、値をアルファ変数に保存して他アプリで利用したりできます。

参考

Databaseアプリが収録している物理定数の値や名称は、2022年のCODATAに準拠しています。

カテゴリー別物理定数一覧

カテゴリー

記号

定数名

Universal
(普遍定数)

c

真空中の光速

μ0

真空の透電率 4παħ/(e2c)

ε0

真空の誘電率 1/μ0c2

Z0

真空の特性インピーダンス μ0/ε0 = μ0c

G

万有引力定数

h

プランク定数

ħ

換算プランク定数(ディラック定数)

mP

プランク質量 (ħc/G)1/2

lP

プランク長 ħ/mPc =(ħG/c3)1/2

tP

プランク時間 lP/c =(ħG/c5)1/2

Electromagnetic
(電磁気学定数)

e

電気素量

Ф0

磁束量子 2πħ/2e

G0

コンダクタンス量子 2e2/2πħ

KJ

ジョセフソン定数 2e/h

RK

フォン・クリッツィング定数 μ0c/2α = 2πħ/e2

μB

ボーア磁子 eħ/2me

μN

核磁子 eħ/2mp

Atomic & Nuclear
(原子核物理学定数)

α

微細構造定数 e2/4πε0ħc

R

リュードベリ定数

a0

ボーア半径 ħ/αmec = 4πε0ħ2/mee2

me

電子の質量

μe

電子の磁気モーメント

mμ

ミュー粒子の質量

μμ

ミュー粒子の磁気モーメント

Database_mt

タウ粒子の質量

mp

陽子の質量

μp

陽子の磁気モーメント

mn

中性子の質量

μn

中性子の磁気モーメント

Physico-Chemical
(物理化学定数)

NA

アボガドロ定数

mu

原子質量定数 Database_mum(12C)=2hc/Rα2c2Ar(e)

F

ファラデー定数 NAe

R

気体定数 R=NAk

k

ボルツマン定数

Vm

理想気体のモル体積 RT/p (273.15K, p=100kPa)

σ

シュテファン・ボルツマン定数 (π2/60)k4/ħ3c2

Adopted Values
(協定値)

KJ−90

ジョセフソン定数の協定値

RK−90

フォン・クリッツィング定数の協定値

gn

標準重力加速度

物理定数の値や情報を表示する

  1. h > Databaseを選ぶ。

  2. [Fundamental Physical Constants]を反転させ、Oまたはrを押す。

  3. 物理定数のカテゴリー一覧が表示されます。

    CY875_V2_Database Displaying Physical Constant_1
  4. 値を表示したい物理定数のカテゴリーを反転させ、Oまたはrを押す。 例えばボーア磁子(μB)の値を表示するには、[Electromagnetic](電磁気学定数)を反転させ、Oまたはrを押す。

  5. 電磁気学定数カテゴリーに含まれる物理定数が一覧表示され、値が表示されます。

    CY875_V2_Database Displaying Physical Constant_2

    どの物理定数がどのカテゴリーに含まれているかについては、カテゴリー別物理定数一覧を参照してください。

    表示されている値を計算に使う操作については、物理定数の値を計算に利用するを参照してください。

  6. ボーア磁子の情報を表示するには、[μB]の行を反転させ、Oを押すかT > [Description]を選ぶ。

  7. ダイアログに情報(名称、記号、単位)が表示されます。 ダイアログを閉じるには、Oまたはbを押します。

    CY875_V2_Database Displaying Physical Constant_3
  8. カテゴリー一覧に戻るには、bを押す。

物理定数の値を編集する

物理定数の値を編集するには

  1. 物理定数の値や情報を表示するの手順1~3の操作で、値を編集したい物理定数を反転させる。

  2. T > [Edit]を選ぶか、rを押す。*

  3. 物理定数の値の左端に入力カーソルが表示され、点滅します。

  4. lまたはrを使って入力カーソルを移動し、値を編集する。

  5. 16桁以上入力した場合でも、記憶される有効桁数は15桁になります。

    入力に誤りがあると、エラー(Syntax ERROR)となります。

    数学的に不正な式を入力すると、エラー(Math ERROR)となります。

    編集をキャンセルするには、ここでbを押します。

  6. 編集後の値を保存するには、Oを押す。

この操作の代わりに数字キーを押すと、押したキーの数字が入力されます。

物理定数1つの値を初期化するには

  1. 物理定数の値や情報を表示するの手順1~3の操作で、値を初期化したい物理定数を反転させる。

  2. T > [Initialize] > [Selected Constant]を選ぶ。

すべての物理定数の値を初期化するには

  1. 物理定数の一覧表示画面でT > [Initialize] > [All]を選ぶ。

  2. 表示される確認ダイアログで、[OK]を選ぶ。

物理定数の値を計算に利用する

物理定数の値をアルファ変数に保存することで、Calculateアプリなどの他アプリで計算に利用できます。

例:  太陽から地球に光が到達する所要時間を計算する。 計算には、太陽から地球までの平均距離(1 au = 149,597,870,700 m)と、本機が内蔵している真空中の光速(c =299792458 m/s)を使用する。

  1. 物理定数のカテゴリー一覧から[Universal](普遍定数)を選び、Oを押す。

  2. [c](真空中の光速)を反転させ、T > [Store Const. as Variable]を選ぶ。

  3. 保存先のアルファ変数を指定するダイアログが表示されます。

    CY875_V2_Database Using Physical Constant_1
  4. AからZまでの1文字を入力し、Oを押す。

  5. ここではjCOを押します(アルファ変数Cに値が保存されます)。

  6. h > Calculateを選び、Calculateアプリを起動する。

  7. 計算を実行する。

  8. 149597870700*Pj(C)E

    CY876_Database Using Physical Constant_2

    計算結果から、太陽から地球に光が到達する所要時間は、約499秒となります。

    アルファ変数の使い方について詳しくは、アルファ変数の利用を参照してください。

My Drawer(お気に入り)を使う

よく使う物理定数を、My Drawer(お気に入り)に登録できます。

物理定数をお気に入りに登録するには

  1. 物理定数の値や情報を表示するの手順1~3の操作で、お気に入りに登録したい物理定数を反転させる。

  2. T > [Store in My Drawer]を選ぶ。

お気に入りに登録した物理定数を表示するには

物理定数のカテゴリー一覧から、[My Drawer]を選びます。

お気に入りに登録した物理定数1つの登録を解除するには

  1. 物理定数のカテゴリー一覧から、[My Drawer]を選ぶ。

  2. お気に入りから削除したい物理定数を反転させる。

  3. T > [Delete] > [Selected Constant]を選ぶ。

お気に入りに登録したすべての物理定数の登録を解除するには

  1. 物理定数のカテゴリー一覧から、[My Drawer]を選ぶ。

  2. T > [Delete] > [All]を選ぶ。

  3. 表示される確認ダイアログで、[OK]を選ぶ。